Rezum(レジューム)による前立腺肥大症に対する経尿道的水蒸気治療(WAVE)

経尿道的水蒸気治療(WAVE)とは?

経尿道的水蒸気治療(WAVE)は、日本では2022年9月より保険適用となったRezum(レジューム)を用いて行う前立腺肥大症の治療法です。
先端から水蒸気を放出する針を備えた専用デバイスを尿道から挿入し、内視鏡で確認しながら、肥大した前立腺組織に水蒸気を注入します。
当院では、麻酔科医師による麻酔管理のもとで治療を行っており、手術中の痛みは、麻酔によりほとんど感じることはありません。注入された水蒸気は、治療部位で約70℃となり、肥大した前立腺組織の細胞を変性させます。
その後、約1〜3か月かけて体内で自然に吸収され、前立腺が徐々に縮小することで、排尿症状の改善が期待されます。なお、治療後は一時的に前立腺が腫れることがあるため、尿閉(排尿困難)を防ぐ目的で、術後一定期間、尿道カテーテルを留置します。

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経尿道的前立腺水蒸気治療(WAVE)

こんな症状はありませんか?

夜間頻尿:寝ている間にトイレのために何度も起きてしまう
尿の勢いの低下:出始めが遅く途中で途切れる、出し切るまで時間がかかる
残尿感:排尿後も残っている感じがあり、すっきりしない

これらは、60歳以上の男性に多くみられる前立腺肥大症による症状の可能性があります。前立腺が大きくなることで尿道や膀胱に負担がかかり、排尿に関するさまざまな症状が現れることがあります。
「年齢のせいだから」と我慢されている症状はありませんか?

圧迫されている尿道

薬物療法を続ける中での疑問・不安

前立腺肥大症の治療では、薬物療法が基本となることが多く、多くの場合、有効となり得る治療法です。
その一方で、治療を続ける中で、下記のような不安を感じる方もいらっしゃいます。

  • お薬の種類や数について相談したい
  • 通院や医療費の負担が気になってきた
  • 効果の変化を感じるようになった

そのような場合には、薬物療法以外の選択肢についても含めて医師と相談することができます。

薬物療法以外の治療について

前立腺肥大症の治療には、薬物療法の他に手術療法という選択肢があります。
手術療法を行うことで、症状の改善に伴い、排尿に関わるお薬の量や種類を見直せる場合もあります。
手術にはいくつかの方法がありますが、多くは尿道から内視鏡を用いて行う治療で、お腹を切ることはありません。
当院で行っている経尿道的水蒸気治療(WAVE)も、そのような内視鏡を用いて行う治療の一つで、体への負担が比較的少ない治療法とされています。
前立腺肥大症の状態が続くと、膀胱に負担がかかり、排尿の力が徐々に弱くなることがあります。
症状の程度や経過によっては、治療の選択肢について医師と相談することが、将来の排尿状態を考えるうえで大切になる場合があります。

尿道カテーテルや自己導尿が必要な方へ

現在、自己導尿を行っている方や、尿道カテーテルを留置されている方でも、手術によって排尿状態が改善する可能性があります。症状や前立腺の状態によっては、カテーテルや自己導尿が不要となる場合もあります。ただし、排尿の状態や併存するご病気の状況によっては、手術が難しい場合や、治療のタイミングを慎重に判断する必要があることもあります。詳しくは診察のうえで、個別にご相談ください。

経尿道的水蒸気治療(WAVE)の特徴

体への負担が比較的少ない治療です

  • 治療に要する時間は比較的短く、通常5〜10分程度で終了します。
  • ご高齢の方でも治療が可能な場合があり、当院では90歳代の方にも実施しています。
  • 出血や痛みは比較的少ないとされています。
  • 水蒸気を用いた治療のため、体内に人工物が残ることはありません。

入院期間が短い治療です

  • 通常、入院期間は1泊2日です。
  • お仕事などで長期の休みが取りにくい方や、ご高齢で体力低下がご心配な方にも検討しやすい治療です

性機能への影響が比較的少ない治療です

  • 他の前立腺手術と比べて、術後の射精機能が保たれる可能性が高い治療法とされています。
    ※効果や経過には個人差があります。

当院での治療の特徴

当院では、前立腺肥大症に対して、薬物療法から手術療法まで、幅広い治療選択肢をご用意しています。

①治療法の選択肢が豊富です

経尿道的水蒸気治療(WAVE)のほか、前立腺の大きさや形態によっては、前立腺レーザー手術(ThuVAP)にも対応しています。症状や前立腺の状態、ご希望をふまえ、一人ひとりに適した治療法をご提案しています。


②専門性を生かした一貫した診療体制

当院には、排尿障害治療を専門とする医師が在籍しており(2026年2月現在、日本泌尿器科学会会員約9,700名のうち、排尿機能専門医は約300名とされています)、前立腺肥大症手術の経験が豊富な医師が診療にあたります。手術前の評価から、治療後のフォローアップまで、一貫した管理体制で診療を行っています。

当院での治療の特徴

入院から治療、退院後までの流れ(WAVE治療の場合)

当院では、WAVE治療は基本的に1泊2日の入院で行っています。
麻酔科医師による麻酔管理のもとで治療を行います。

入院中のスケジュール(例)

1日目:午前中に入院
(治療開始時間や全身状態によっては前日入院となる場合があります)
同日中に治療を行います
2日目:朝の診察後、午前中に退院となります


退院後
  • 退院当日から、激しい運動を除き、日常生活や食事に大きな制限はありません。
  • 術後およそ1週間〜1か月で外来受診いただき、尿道カテーテルの抜去を行います(前立腺の大きさや、治療前の排尿状態、治療時の状況により期間は異なります)。
  • その後も、定期的に治療後の経過を確認します。
    ※多くの方で、治療後およそ1か月程度で日常生活に支障を感じにくくなります。

合併症について

治療に伴い、以下のような合併症が起こる可能性があります。

  • 血尿:血尿が強い場合には、処置や追加治療を行うことがあります。
  • 感染:尿路感染などが生じた場合には、抗菌薬で治療します。
  • 疼痛:術後に痛みが強い場合には、鎮痛剤で対応します。
  • その他:まれに、予期せぬ合併症が生じることがあります。

手術までの検査・準備について

安全に治療を受けていただくために、以下のような検査を行います。

全身状態を確認する検査
  • 血液検査
  • 尿検査
  • レントゲン
  • 心電図
  • 心臓超音波検査
  • 呼吸機能検査 など

排尿の状態を確認する検査
  • 症状質問票
  • 尿流測定
  • 残尿測定 など

前立腺や膀胱の状態を確認する検査
  • 前立腺超音波検査
  • 前立腺MRI
  • 膀胱鏡検査(必要に応じて行います) など

※症状や状態に応じて、他の臓器の検査や、専門医による追加検査を行う場合があります。
※普段内服されているお薬やサプリメントについては、手術前後に休薬が必要となることがありますので、必ず医師または看護師にご相談ください。

入院から治療、退院後までの流れ(WAVE治療の場合)

当治療内容や適応、経過についてご不安な点がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
なお、月曜日・木曜日の外来は非常勤医師による診療日となっております。
手術をご希望の場合や、手術を含めた詳しい治療のご相談をご希望の方は、それ以外の診療日に受診いただくことをおすすめしています。
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