呼吸器外科

呼吸器外科について

呼吸器外科では肺・縦隔・胸膜・胸壁などの胸部疾患の外科治療を主に担当しています。

対応する主な疾患

◆腫瘍性疾患

 原発性肺癌、転移性肺腫瘍、肺良性腫瘍、縦隔腫瘍、胸膜腫瘍、胸壁腫瘍など

◆非腫瘍性疾患

 気胸、血胸、膿胸、気腫性巨大肺嚢胞など

◆外傷性疾患

 肋骨骨折、外傷性気胸、外傷性血気胸など *二次救急の範囲内に限る


当科では上記に対する外科治療を主に担当しており、画像診断にも力を入れております。地域の医療関係者の方におかれましては、診断未確定の、いわゆる胸部異常陰影の段階でも、適応のある患者さんをご紹介いただけましたら対応させていただきます。

主な疾患の治療方針

原発性肺癌

切除可能な症例では手術適応を評価して手術を行います。進行癌では手術・薬物治療・放射線治療を組み合わせた治療が必要となる場合があります。肺癌では確定診断がついていない場合でも診断と治療を兼ねて手術を行うことが少なくありません。

転移性肺腫瘍

原発巣がコントロールされており、肺転移を切除することで今後の改善が見込める場合には積極的に手術を行います。

縦隔腫瘍

切除可能な症例では診断と治療を兼ねて手術を行います。切除困難な場合には胸腔鏡下生検を行って確定診断をつけ、薬物治療や放射線治療への橋渡しを行います。

胸膜腫瘍

悪性胸膜中皮腫などで切除困難な場合には胸腔鏡下生検を行って確定診断をつけ、薬物治療への橋渡しを行います。

自然気胸

虚脱が強い症例では胸腔ドレナージを行い、空気漏れの原因となる部位を手術で修復します。血気胸では緊急手術を要することがあります。

膿胸

胸腔ドレナージと抗菌薬治療が基本ですが、発症から時間が経過するとドレナージ不良となることがあり、早期に手術を行うことが良好な治療経過につながります。

外傷性気胸、外傷性血気胸

二次救急の範囲内では胸腔ドレナージによる保存的治療で軽快することが多いですが、手術を要することがあります。他部位の外傷を合併する場合も少なくないため、他科との共同治療を要することもあります。

診療内容と特色

現在日本人の死因第1位は悪性新生物です。その中でも当科が担当する代表的疾患の1つである肺癌は、男性1位、女性2位の死亡数となっています。当然ながら、予防と早期発見・早期治療が重要となります。 当院には予防医学センターがあり、PET-CTを2台備えています。加えて呼吸器外科・呼吸器内科・放射線治療科が揃っており、肺癌治療の3本柱である手術・薬物治療・放射線治療のいずれにも対応可能です。当科ではこれらの診療科と定期的にカンファレンスを行い、日頃から密に連携をとっております。
さらに、高齢化が進む社会において、リハビリテーションスタッフの充実は大きな強みに感じています。術前から術後にいたるまで患者さんに寄り添ったリハビリテーションを行っております。

手術

手術では低侵襲を目指して積極的に胸腔鏡手術を行っており、これにより術後の早期回復・早期社会復帰が可能となっています。胸腔鏡手術のみでなく状況に応じて従来の標準開胸手術も行っており、いずれの場合でも患者さんの安全を最優先に考えて手術適応を判断し、患者さんご本人・ご家族の皆さんに納得していただけるよう十分な説明をさせていただきます。
外科ではありますが手術のみにこだわることなく、個々の患者さんにとって最適・最善の治療を提供できるよう関係各科と密な連携をこころがけております。

禁煙指導

当科では禁煙の重要性を強調させていただいております。タバコだけが肺癌の原因ではありませんが、肺癌の危険因子の代表が喫煙です。喫煙は肺癌以外にも多くの悪性新生物の危険因子であることが知られています。呼吸器系だけでなく心・血管系疾患の原因にもなるため、治療適応や治療経過にも悪影響を及ぼします。喫煙者は術後合併症や死亡率が有意に高くなることが知られており、禁煙せずして手術を行うことはできません。手術以外の治療を選択する場合も同様であり、当科初診時にタバコを吸っている方には手術の実施有無に関わらず禁煙指導を徹底させていただいております。

スタッフ紹介

中野 隆之医師

中野 隆之

科長

主な経歴

  • 2004年 東海大学医学部医学科 卒業

専門としている領域

  • 呼吸器外科全般、
  • 肺がん、気胸、胸腔鏡下手術

専門医・指導医

  • 日本外科学会認定外科専門医・指導医
  • 日本呼吸器外科学会評議員
  • 呼吸器外科専門医合同委員会呼吸器外科専門医
  • 肺がんCT検診認定医

患者さんに一言

  • 低侵襲手術を目指して積極的に胸腔鏡下手術を行っておりますが、手術のみにこだわることなく、患者さんそれぞれに応じた最適な治療を、患者さん・ご家族と一緒に検討していきます。
山田 俊介医師

山田 俊介

非常勤医師

主な経歴

  • 1983年 東海大学医学部 卒業

専門としている領域

  • 呼吸器外科

専門医・指導医

  • 日本外科学会認定外科専門医・指導医
  • 日本呼吸器外科学会指導医
  • 呼吸器外科専門医合同委員会呼吸器外科専門医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 日本内視鏡外科学会評議員

患者さんに一言

  • 地域の皆様に貢献できるように一生懸命頑張ります。

診療時間