【ご報告】「がんの早期発見と先進医療」の市民公開講座が開催されました
大勢の方にお集まりいただき、盛況のうちに開催されました
2017年12月10日(日)、中野区の野方区民ホールにおいて、市民公開講座「がんの早期発見と先進医療~がん治療と圧迫骨折・脳卒中の先進医療~」が開催されました。
総合東京病院の医師2名と南東北がん陽子線治療センターの医師の3名が講演を行いました。会場には約150人の参加者が訪れ、講演後の質疑応答では参加者からの質問が飛び交いました。
まず渡邉貞義医師(総合東京病院院長/脳神経外科)が登壇し、「がんの早期発見早期医療~PETによるがん検診~」をテーマに検診の重要性を訴えました。「日本人の死因第一位はがん(悪性新生物)で、がんに対処する時には早期発見と早期治療が最も重要なポイント」と述べ、がん細胞の増殖の経過、PET-CT検査の仕組みや特長などを示しました。
次に沼澤真一医師(総合東京病院副院長/脳神経疾患センター長)は、「年令と共に増加する圧迫骨折と脳卒中」と題し、それぞれの疾患の特長や治療法を分かりやすく説明しました。脊椎圧迫骨折は別名「いつの間にか骨折」と呼び、骨粗鬆症の患者に起こりやすいことを統計で示し、治療法として骨の部分で風船を膨らませて空洞を作りセメントを流し込むBKPを紹介しました。
続いて脳卒中については、これが原因で寝たきりが起こる確率が一番多いことを挙げ、近年における脳梗塞治療の歴史を紹介。現在は血管内治療の時代となったこと、またその有用性について言及しました。最後に、血管内治療はどこの施設でも受けられるわけではなく、資格を有する医師がいるかどうかを受診前に確かめる必要があること、良好な結果を得るためには早期の治療が望まれることを訴求しました。
3番目に、村上昌雄医師(南東北がん陽子線治療センター長)が登壇、陽子線の特長とその有用性について、各部位にできたがんの治療例を画像を踏まえて示しました。X線と比べて陽子線は正常な細胞への被ばくが少なく、全体の被ばく量を減らすことができることと、DNAの損傷を軽減に寄与することを特長に挙げました。頭頸部がん、肺がん、前立腺がんなどの症例を紹介し、今後は進行した肺がん、放射線治療後の再発、局所進行膵癌にもその有用性が認められるのではないか、と陽子線治療の展望についても言及しました。
大勢の方にご来場いただき、誠にありがとうございました。皆様の健康維持・増進のため、当院の市民公開講座やPET検診をぜひお役立ていただければと思います。
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