【ご報告】『第6回みんなのハートカンファレンス』が開催されました
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会場風景
11月2日(木)、当院STR東京ホールにて『みんなのハートカンファレンス』が開催されました。
同カンファレンスは一般講演と特別講演の二部で構成され、一般講演では、当院循環器内科部長の中野雅嗣医師と心臓血管外科医長の砂田将俊医師、特別講演では東京都CCU連絡協議会会長で榊原記念病院副院長の高山守正医師を迎え、講演を行いました。会場には、地域で開業医として活躍されている30名以上の先生方にご参集いただきました。
まずはじめに、当院院長の渡邉貞義医師が登壇し、「このハートカンファレンスは今回で6回目を迎える。循環器内科と心臓血管外科ともに順調に手術件数を増やしている。彼らの講演を聞いてもっとこの病院のことを知ってもらいたい」と開会の挨拶を行いました。
一般講演では、座長に小船達也医師(小船内科医院院長)を迎え、中野雅嗣医師(当院循環器内科)が登壇し、消化管出血をきたした慢性心房細動患者に対する抗凝固剤の使い方についての講演を行いました。
DOAC投与下における出血管理、プラザキサに対する中和剤であるプリズバインドなどについて紹介し、最後に再出血をする可能性が高い期間は中和可能であるワーファリンかプラザキサの使用が望ましいと結論づけました。
続いて、砂田将俊医師(当院心臓血管外科)が登壇。初回開心術から5年後に急性大動脈解離を発症し、重症心筋虚血を合併した1例を紹介しました。
来院時ECG所見、PCI所見、術前造影CT所見などを紹介し、抗血小板薬の多量内服や大動脈基部拡大などの問題点を挙げ、手術シェーマ、術中動画で術式を詳しく紹介しました。「緊急PCIと緊急手術において良好な結果を得ることができた。複雑な重症例ほど迅速な診断と精密な治療戦略が必要である」と述べました。
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一般講演 座長 小船達也医師
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中野雅嗣医師
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砂田将俊医師
特別講演は、高山守正医師(榊原記念病院/東京都CCU連絡協議会)が「東京都の地域心血管救急医療の現状と今後の方向~東京都CCUネットワークによるデータを元に」をテーマに講演を行いました。救急連携システム組織化の流れから現状の運営方法とその発展、患者集計とその成績、最近の心筋梗塞データ集計解析などを報告しました。
東京都の心血管救急に残されている大きな課題として、急性心不全への急性期・慢性期対策を一番に挙げ、「今後は着実なデータ集計の継続が重要。東京都CCUネットワークは心血管救急疾患診療の92%を網羅する地域医療連携ネットワークである。協力していきましょう」とネットワークの重要性を強調しました。
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特別講演 座長 吉田慎医師
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高山守正医師
閉会の挨拶に当院副院長で循環器内科の塚原玲子医師が登壇しました。
「高山先生のCCUネットワークについての特別講演は大変勉強になった。当院は循環器内科医9名と心臓血管外科医3名で24時間患者さんを診ている。開業医の皆さん、今後ともよろしくお願いします」と述べ、同カンファレンスを締めくくりました。