【ご報告】『第4回城西消化器カンファレンス』が開催されました
会場風景
渡邉貞義院長
10月24日(火)19時30分より当院STR東京ホールにて『城西消化器カンファレンス』が開催されました。
同カンファレンスは今回で4回目。今回はミニレクチャー、一般講演、特別講演の3つが用意され、3人の医師が最新の臨床データをもとに発表を行いました。会場には、中野区、練馬区、杉並区など当院の周辺地域で開業医として活躍されている、30名以上の先生方にご参集いただきました。
同カンファレンスの開会の挨拶に、当院院長の渡邉貞義医師が登壇し、「『すべては患者さんのために』はこの病院の院是です。STR東京ホールは患者さんのために作りました。今回のカンファレンスにおいて最新の情報を共有し、患者さんの診療に役立ててもらいたい」と述べました。
講演前のミニレクチャーでは、高野裕太医師(当院消化器外科医長)が上部消化管の腹腔鏡手術をテーマに、当院の外科的手術症例と食道や胃などで行われている腹腔鏡手術について説明しました。
腹腔鏡を用いることで手術の低侵襲化が実現すること、また、逆流防止機構を付加した噴門側胃切除後の再建法である上川法が、腹腔鏡下噴門側胃切除術後の代表的な再建法となっていることを紹介しました。
高野裕太医師
腹腔鏡下幽門側胃切除術 Billroth I 法再建 デルタ吻合を動画で紹介しました
一般講演は、横畠徳行医師(横畠病院院長)を座長に迎え、菅原 崇医師(当院消化器内科科長)が登壇し、当院における内視鏡検査の現況を紹介しました。
2012年8月から2017年8月までの5年間に施行した、85歳以上の下部消化管内視鏡検査203例について検討を行い、検査動機において有症状の精査では、下血が112件、続いてイレウスが60件と多く、無症状では便潜血陽性が35件、経過観察が19件でした。
予後の調査で下部消化管内視鏡を受けた超高齢者の平均生存期間は約3~4年で、腺腫や近位大腸癌の発生率が増加していることを紹介。「下部消化管内視鏡検査は、高齢者においても、その特性を考慮して慎重に行えば安全に施行できる、また年齢にかかわらず、検査による利益が不利益を上回ると予想される場合には、すべからく検査の適応となる」と検査の有用性について述べました。
横畠徳行医師
菅原 崇医師
続いての特別講演は、寺本研一医師(てらもとクリニック院長)の座長のもと、後藤田卓志医師(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野教授)が登壇し、「胃がん内視鏡検診と治療」と題し、胃がんの今後と胃内視鏡検診と観察、治療に向けた注意点の3項目に分けて講演を行いました。
胃がんの原因のほとんどはピロリ菌であり、その除菌が国内で浸透し、胃がんの罹患率も減少傾向にある。年齢別胃がん死亡者数および罹患者数のグラフを示しながら、胃がんは高齢者に多く見られる疾患でしばらくは感染者、既感染者、未感染者の3者で分類され、やがて、既感染者、未感染者の2者に、その後に胃がんは欧米同様に稀な病気になるだろうと言及しました。
その他、ピロリ未・既感染例における胃がんの特徴、除菌後胃がんのケースを症例画像で示しながら説明しました。
寺本研一医師
後藤田卓志医師
閉会の挨拶では、貫野宏典医師(当院消化器外科医長)が、「7月より消化器外科は新たに医師も加わって4人体制となりました。今後とも地域の先生方のご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いします」と述べました。
貫野宏典医師