【ご報告】第4回脳心救急カンファレンスが開催されました
多くの救急隊員さんにご参加いただきました
脳心救急カンファレンスが、8月7日(月)10時から総合東京病院内STR東京ホールにて開催されました。都内で勤務する救急隊の皆さん40名ほどが参加し、医師との交流を深めました。
同カンファレンスは、今回で4回目。救急隊への医療情報の提供と病院との連携を深めることを目的として開催されるもので、脳神経外科と心臓血管センターの合同で定期的に行われています。当院心臓血管センターの羽田 佑医師、脳神経外科の赤須 功医師、大友朋子医師の3名が救急隊の皆さんを前に講演を行いました。
まずはじめに羽田医師(心臓血管センター)が登壇し、「心房細動に起因した脳梗塞患者に心筋焼灼術を施行した一例」と題し、症例報告を行いました。心房細動を起こすと血栓ができやすく、心原性脳梗塞が起きると予後が不良になってしまう。そこで心房細動に対するアブレーションを行うことで、血栓のリスクは減少すると説明しました。
続いて赤須医師(脳神経外科)「くも膜下出血の一例」と題した講演では、くも膜下出血の症状やMRIやMRA等で撮影したときの典型的な画像、発症後の重症度(W.F.N.S.grading)、代表的な診療の流れなどが紹介されました。引き続き、赤須医師によるショートレクチャーが行われ、「くも膜下出血の典型症例について」と題して2つの症例について解説されました。
1つ目の症例では、様々な種類の頭蓋内出血や合併症で最も多い不整脈と肺水腫について、次に脳動脈瘤を起こした患者に対するクリッピング術とコイル塞栓術の治療法やその成績などが紹介されました。最後に「当院では手術と血管内治療のどちらでもおまかせください」と結びました。
赤須 功医師(総合東京病院脳神経外科)
その後、大友医師(脳神経外科)より「脳卒中A患者の受け入れ」について講演をいただきました。急性期脳梗塞の一般的な治療法や2015年以降に発表された治療に関する新しい情報、救急搬送の方法によるADL自立の割合、アメリカにおける脳卒中患者の搬送のガイドライン、脳卒中A選定患者受け入れチャートの紹介が行われ、「一人でも多くの脳卒中患者さんが歩いて退院できるようご協力をお願いします」と挨拶を行いました。
大友朋子医師(総合東京病院脳神経外科)
脳心救急カンファレンスの閉会の挨拶に当院心臓血管センター村松俊哉医師(心血管インターベンション治療センター長)が登壇し、「これからも引き続き、総合東京病院への温かいご支援をよろしくお願いします」と会を締めくくりました。
村松俊哉医師(総合東京病院心臓血管センター)