腸内環境を整える食事のコツ
患者さんのためのQ&A
腸内環境(腸内フローラ)を整える食事とは?
腸内環境・腸内フローラを整えるためには、腸内に多くの種類の菌が存在する「多様性」が重要なポイントのひとつとなります。いろいろな食品を楽しんで食べることは、腸内細菌の多様性を高めるためにも良い影響をもたらします。
腸内環境を整えるために、1日3回バランスの良い食事をとろう
肉類や魚介類、卵、乳製品などに含まれている動物性たんぱく質や脂質の多い食事に偏ってしまうと、悪玉菌が増える原因になります。偏りなく、3食の中で野菜・果物・乳製品などもバランスよく食べましょう。
バランスの良い食事とは
バランスの良い食事とは、主食、主菜、副菜その他が揃った以下のようなメニューです。
主食 | 主菜 | 副菜 | その他 |
---|---|---|---|
ごはん・めん・パンなど | 肉・魚・卵・豆腐豆製品などメインの料理 | 野菜・キノコ類・海藻類など、煮物やサラダなど小鉢の料理 | 果物・乳製品(牛乳・ヨーグルト・チーズなど) |
- 1回の食事で全てが揃わない場合、1日のどこかでは食べるようにしましょう。
- 無理しない、制限しない、食べ過ぎない、偏らない、を心がけましょう。
バランスのよい食事のコツ
食事のコツを下記に示します。疲れている時、時間がない時などは簡単な食事にしてしまいがちですが、難しく考えすぎず、少しでも心がけてみましょう。
- なるべく1日3回、決まった時間に食事をする
- 偏食せずいろいろな食材を食べる
- 単品料理ではなく定食にして品数を多くする
- 汁やスープは具沢山にしておかずにしてしまう
発酵食品を上手に取り入れよう
発酵食品には乳酸菌やビフィズス菌、酵母菌、麹菌などの善玉菌が含まれています。継続的に食べるとより効果的と言われているので積極的に取り入れましょう。
※塩分が多い食品もあるのでご注意ください。
- 善玉菌を多く含む食材
- ヨーグルト、ぬか漬け、納豆、キムチ、味噌、チーズ
食物繊維とオリゴ糖をセットで取り入れよう
善玉菌のエサとなる「食物繊維」と「オリゴ糖」をあわせて摂ると、腸内で菌数を増やす助けになります。食物繊維には水に溶ける「水溶性」と水に溶けない「不溶性」があり、どちらも便秘改善など腸にうれしい効果が期待できます。
便をやわらかくしたい場合は「水溶性」、便の量を増やすことで腸を動かしたい場合は「不溶性」の食物繊維が効果的です。また、善玉菌の増殖に特に効果的なのは「水溶性」の食物繊維です。
- 水溶性食物繊維を多く含む食品
- 野菜類(ごぼう、にんじん、芽キャベツ、おくら、ブロッコリー、ほうれん草)、豆類(納豆)、いも類(さといも、こんにゃく)海藻・きのこ類、果物
- オリゴ糖を多く含む食品
- 野菜類(玉ねぎ、ごぼう、ねぎ、にんにく、アスパラガス)、果物(バナナ)、豆類(大豆)
腸内環境を整えて健康な毎日を送ろう
腸内環境(腸内フローラ)を整えるためには、食生活の面でもバランスの良い食事を摂り、善玉菌を増やすものを積極的に摂ることが大切なのです。食べ合わせを意識して続けていきたいですね。
少しでも快適な生活を過ごせるように、いまの食事を見直すこと、適度に運動すること、適正体重を維持して肥満防止すること。これらを意識して、このストレス社会を乗り切りましょう!!
監修 総合東京病院 栄養管理科 |