薬剤科
薬剤科長よりご挨拶
私たち総合東京病院の薬剤師は、チーム医療の一員として患者さんにあった療法の提供に努め、「全ては患者さんのために」をモットーに行動しています。
具体的には、
- 患者さんが安心・安全にお薬を使用していただけるよう、分かりやすく説明します
- 地域の保険薬局や医療機関と緊密に連携をとり、繋ぎ目のない治療が提供されるよう心掛けます
- 薬物療法に関する最新の知見を収集し、患者さんの状況を考慮してお薬を選択します
- 薬学生の教育に深く関わり、共に成長し続けます
- 医療人として社会から信頼されるよう、日々研鑽を重ねます
以上の5点を行動目標とし、薬剤科が信頼される集団となれるよう日々奮闘しています。
薬剤科長 外石 昇
薬剤科の業務内容
中央業務
ここでは処方せんに基づき、お薬の調剤を行っています。外来処方せんは主に院外の保険薬局で調剤してもらっていますので、中央業務で扱うほとんどが入院患者さんのお薬です。1日につきおおよそ200枚程度を調剤しています。
保険薬局と違い、病院では注射の調剤も行っています。注射調剤では患者さん毎に使用する注射剤を1日分ずつ取りそろえ、投与量や投与方法が適切であることを確認して病棟等に払い出しています。注射は1日250~300枚程度の処方せんを取り扱っています。
医薬品は適切な品質管理が重要となりますので、薬剤師は常に温度・湿度・露光等を監視し、適切な状態で保管されていることを確認しています。また、月に一度は在庫している全ての医薬品に対して使用期限をチェックし、期限切れのお薬が患者さんの手に渡らないように努めています。
注射セット業務 ≪アンプルピッカー≫
注射セット業務 ≪注射調剤≫
病棟業務
当院では各病棟に専任薬剤師を配置し「病棟薬剤業務実施加算」を算定しています。この業務では、医師・看護師等と協働し、お薬が適正に使用されるように活動しています。例えば、入院時に患者さんが持参したお薬やお薬手帳を確認し、入院中にどのようにお薬を継続していくか医師に提案します。
また、医薬品に関する重要な安全性情報が厚生労働省や製薬会社から発出された時には、その医薬品に関連する医師や看護師に薬剤師が情報提供します。更に、必要に応じて薬剤師が看護師にお薬の使い方についてレクチャーすることもあります。
当院には一般の急性期病棟の他に、回復期リハビリテーション病棟があります。回復期病棟の施設基準として薬剤師の配置は不要ですが、リハビリ患者さんはたくさんのお薬を服用していることが多いため、専任の薬剤師を配置し、患者さんが安全にお薬を服用できるように活動しています。
DI(医薬品情報)業務
医薬品に関する情報は大変重要であり、適切に収集し管理する必要があります。過去のソリブジン事件やサリドマイド事件などからも、DI業務の重要性が理解できます。
DIは薬剤師が個々に勉強すべきことですが、それだけでは情報が漏れていたり、古い情報がアップデートされなかったりすることがあります。そこで、DI業務を担当する薬剤師を配置し、適切な薬物療法を行うために必要な情報を能動的に収集しています。その情報は、医師・看護師・薬剤師・その他の医療従事者や患者さんに対して適した内容に加工してから提供します。つまり、集めた情報をそのまま伝達するのではなく、情報提供相手に合わせたわかりやすい内容にしてお伝えしています。
また、医師等からのお薬に関する質問の窓口となり、随時回答しています。当院ではその内容をデータベースで管理し、同じ質問が来た時に瞬時に対応できるように工夫しています。
がん化学療法業務
抗がん剤による化学療法は日々進化し、近年、有効性が高く副作用の少ない薬剤が開発されてきました。さらに、副作用の症状をコントロールするための支持療法はその有効性について様々なエビデンスが報告され、患者さんは以前に比べ、治療を受けやすくなってきました。
一方で、複数の抗がん剤を併用する多剤併用療法では、投与スケジュールが複雑であり間違いが起こりやすいことや、厳重に取り扱わなければならない薬剤も多いことから、がん化学療法担当の薬剤師は化学療法の妥当性評価、支持療法の提案、投与スケジュールの管理、薬剤説明など、様々な役割を担っています。
院内で投与される抗がん剤は、薬剤師が「安全キャビネット」と呼ばれる無菌調製のための設備と「閉鎖式薬物移送システム」という調製器具を用いて抗がん剤を調製しています。当院ではこの作業に対する力量評価により、合格した薬剤師だけが調製にあたっています。
抗がん剤のミキシング
院内製剤業務
院内製剤とは、医療機関の自己責任のもと、製造される薬剤です。当院では薬事委員会という委員会(および場合により倫理委員会)で承認された院内製剤の製造を行っています。こちらも抗がん剤の調製と同様、力量評価で合格した薬剤師が調製にあたっています。
PET-CTにおけるホットラボ業務
PETとは、Positron Emission Tomography(陽電子放出断層撮影)の略で、放射能を含む薬剤を体内に投与し、その分析を特殊なカメラでとらえて画像化する検査です。ここで使用される放射性医薬品は院内で合成しますが、当院の薬剤師は「ホットラボ」と呼ばれる放射能の強い物質を安全に取り扱える部屋で、放射性医薬品の検定業務をおこなっています。
手術室
手術室には麻酔薬や組織接着剤など多くの薬剤を在庫しています。中には使用期限が短いものや、非常に高価なもの、管理帳簿をつけなければならないものもあり、繁忙な医師・看護師だけでは管理が難しいことがあります。当院では薬剤師が手術室に入り、薬剤の管理を担当し、デッドストックを作らないように活動しています。
手術室での医薬品管理業務
薬剤科の特色
チーム医療
中野・練馬薬剤師オープンカンファレンス
当院薬剤師は、「感染対策チーム」「医療安全管理室」「栄養サポートチーム」「褥瘡回診チーム」などに参加し、チーム医療に貢献しています。
また、練馬区・中野区薬剤師会と連携し「薬剤師オープンカンファランス」を開催したり、近隣の保険薬局と定期的に連絡会を開催するなど、保険薬局と地域のチーム医療を目指して活動しています。
教育
多施設若手薬剤師研究会
当院では薬剤師の自己研鑽や学会への参加を推進しています。特に北里大学北里研究所病院や東京大学医科学研究所病院などの薬剤師が世話人を務める「多施設若手薬剤師研究会」に参加し、数多く発表の機会をいただいています。この研究会による他施設薬剤師との交流を、薬剤師教育の一環として位置付けています。
就職活動をしている薬学生および薬剤師の皆様へ
当院では毎年3月から6月の間にWeb説明会を開催しております。その他の期間でも必要に応じて開催しますが、実地の施設見学はWeb説明会の参加者のみとさせていただいております。Web説明会の開催日は随時総合東京病院のfacebookで告知しますので、ご確認ください。
関係者の方々へ
製薬会社MR担当者へ
いつも大変お世話になっています。当院では医薬品情報を適切にご提供いただきたいと考えています。院内に於けるMR活動にあたっては、以下の点にご注意ください。
- 当院の駐車場は患者用となっておりますので、車で来院される場合は当院駐車場のご利用はご遠慮ください。
- 医局等、職員以外の立ち入りを禁止している場所がありますのでご注意ください。また診療の妨げにならないようにご配慮ください。
- 外来で医師を待つ場合、待合の椅子は患者優先でお願いします。
- 原則としてPr.JOYへの登録をお願いします。Pr.JOYが使用できない場合は医薬品情報担当者にご相談ください。
- 薬剤科長・科長補佐・医薬品情報室等に訪問する際は、事前にPr.JOYでアポイントの申請をお願いいたします。
- 添付文書の改訂情報のようにWeb対応可能な内容については、感染予防の観点から Zoomや teams などによる遠隔面会とさせていただきます。
- 新規医薬品や新しい知見のある既存医薬品についての情報は、薬剤科でランチョンセミナーの実地開催をお願いしております。ご協力よろしくお願いします。
保険薬局の方へ
当院では服薬情報提供書(トレーシングレポート)を以下のフォームから受け付けています。運用方法をご確認の上、報告していただけると幸いです。
なお、ご不明な点がございましたらDI担当(tgh.ph.di@gmail.com)までご連絡ください。どうぞよろしくお願いいたします。