消化器内科
診療内容と特徴
消化器(食道・胃・大腸など)と肝臓、胆嚢、膵臓の疾患を中心に、身体状況と生活の質を考えた診断治療を専門的に行っています。消化器内科・外科病棟が同じフロアに配置されており、内科・外科で連携して、標準化された適切な治療を行っています。
胃カメラ、大腸カメラ検査を受けましょう
当院では経験豊富な医師による内視鏡検査を実施しています。気になる症状はぜひご相談ください。
胃カメラ(上部消化管内視鏡)検査
大腸カメラ検査(大腸内視鏡・下部消化管内視鏡検査)
排便時に出血がある、健診で便潜血反応が陽性となった、腹痛・腹部膨満感などおなかの調子が悪い状態が続いている・・・など
対象疾患
◆上部消化管
- 食道がん、胃がん
- ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
- 逆流性食道炎
- 食道静脈瘤
- 胃ポリープ
- 上部消化管出血 など
◆下部消化管
- 大腸がん、大腸ポリープ
- 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)
- 大腸憩室疾患(大腸憩室炎、大腸憩室出血)
- 虚血性腸炎、感染性腸炎
- 過敏性大腸
- 下部消化管出血 など
◆肝臓
- ウイルス性肝疾患(B型肝炎、C型肝炎など)
- 肝硬変
- 肝がん
- 急性肝疾患(薬物性肝障害 など)
- 慢性肝疾患(自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変症 など)
- NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)などの脂肪性肝疾患
- 肝膿瘍 など
◆膵・胆道系
- 胆石(胆嚢結石、総胆管結石)、胆のう炎、胆管炎
- 胆管がん、胆のうがん
- 膵臓がん
- 急性・慢性膵炎 など
対象となる症状など
血便、黒色便、下痢、腹痛、黄疸、胸やけ、腹部腫瘤などの症状、検診での異常(便潜血陽性、ピロリ菌感染、肝障害、膵腫瘤、胆嚢ポリープなど)の指摘が対象になり得ます。
主な検査、治療
低侵襲な検査
当院の上部内視鏡検査では、経鼻あるいは経口内視鏡を用い、患者さんの希望に応じて鎮静剤を使用しながら、痛みのないように検査を行っております。また、大腸内視鏡検査も、苦痛のないように患者さんの希望に応じて鎮静剤を用いながら安全に検査を行っており、細径の内視鏡、処置用の内視鏡、拡大観察用の内視鏡などを適宜使い分けています。
CT、MRI、超音波検査などもよく行われる非常に低侵襲な検査で、がんに対してはPET-CTも可能です。
早期胃がん・大腸がん・食道がんの内視鏡治療
上部・下部内視鏡検査で病変があった方には色素観察・拡大観察や生検検査を追加して詳しく診断を行い、内視鏡治療が可能な早期病変に対しては、内視鏡的粘膜切除術(EMR)や内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行っております。
EMRとは、内視鏡を用いて筋層以下(粘膜下層の奥)に障害を与えずに粘膜下層の深さで粘膜を広く切除し、組織を回収する方法です(図1)。EMRは一度に切り取ることができる病変が2cmまでと制限があるのに対して、ESDは専用の処置具を用いて、より広範囲な病変を切り取ることが可能な治療法です(図2)。
図1 粘膜切除術(EMR)
図1(A) S状結腸の2.5cm大の早期がん
図1(B) 内視鏡を使って腫瘍を切除している様子
図2 内視鏡下粘膜下層切除術
図2(A) 早期胃がん
図2(B) 内視鏡を使って腫瘍を切除している様子
図2(C) 剥離終了後
胆膵内視鏡(ERCP)
内視鏡を用いて胆管、膵管を造影する検査をERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)といいます。口から十二指腸までカメラを挿入し、その先端から膵管・胆管の中にカテーテルを挿入します。カテーテルから造影剤を入れて、胆管や膵管のX線写真を撮影します。
総胆管結石に対しては、ERCPで結石を確認し、引き続いて乳頭から総胆管にバスケット状の処置具を入れて結石を十二指腸に引き出します。胆管が癌などの病変により狭くなると黄疸(閉塞性黄疸)などを引き起こしますが、その場合、プラスチックや金属の筒(ステント)を胆管に挿入して、胆汁や膵液の流れを改善させることもできます。
膵管狭窄に対してもステント治療が可能です。
超音波内視鏡(EUS)
超音波内視鏡(EUS)は内視鏡の先端の超音波診断装置で行う検査で、消化管の内腔から消化管壁や周囲臓器などの診断を行う検査です。これを利用して病変の一部を採取することにより、病理組織診断をすることもできます。
また、従来は開腹手術でしか治療できなかった胆道、膵臓、肝臓などの多くの疾患(閉塞性黄疸、仮性膵のう胞、肝膿瘍など)に対し開腹手術なしに超音波内視鏡を用いて低侵襲な治療をすることも可能となってきています。
肝疾患
ウイルス性肝炎、肝硬変症の診断および治療を行っています。抗ウイルス薬によるC型肝炎やB型肝炎の内服治療や肝生検、また肝臓癌の集学的治療としてラジオ波焼灼術、動脈寒栓療法や動注療法、薬物療法など病態に合わせて治療方針を決定しています。
炎症性腸疾患
2022年4月から水曜と金曜午前に炎症性腸疾患の専門外来を行っています。
消化管疾患に幅広く対応
その他消化管出血(吐血、下血)に対して緊急内視鏡止血術、経口摂取困難となった方に胃瘻(PEG)造設、食道静脈瘤に対して内視鏡治療など、緊急治療から待機的治療まで幅広く行っております。
受診に際して
初めて当科を受診される際は、かかりつけ医の先生や健診センターからの紹介状をご持参いただくとスムーズです。ただし、吐血、下血などの救急の場合はこの限りではありません。
診療実績 ※治療実績のみ
内訳 | 2020年 | 2022年 | 2023年 |
---|---|---|---|
内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 | 109 | 333 | 396 |
内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD) | 14 | 46 | 55 |
内視鏡的胆道ステント留置術 | 54 | 69 | 78 |
内視鏡的消化管止血術 | 26 | 42 | 39 |
スタッフ紹介
松橋 信行 消化器疾患センター長 |
ベストドクター2020-2021選出 主な経歴
専門としている領域
専門医・指導医
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菅原 崇 部長/内視鏡室長 |
主な経歴
専門としている領域
専門医・指導医
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田村 哲哉 医長 |
主な経歴
専門としている領域
専門医・指導医
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鈴木 英祐 医長 |
主な経歴
専門としている領域
専門医・指導医
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土屋 洋道 医員 |
主な経歴
専門としている領域
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辻川 絢子 医員 |
主な経歴
専門としている領域
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大塚 英 医員 |
主な経歴
専門としている領域
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尾関 伸司 非常勤医師 動画はこちら |
主な経歴
専門としている領域
専門医・指導医
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