2018年3月26日(月)、当院STR東京ホールにて『第7回みんなのハートカンファレンス』が開催されました。当院の循環器内科と心臓血管外科の医師が症例や術式など当院の取り組みを紹介する講演や懇親会を行い、会場には近隣の病院やクリニックでご活躍されている約15名の先生方にお越しいただきました。
講演に先立ち、塚原玲子医師(副院長・心臓血管センター長)が登壇、みんなのハートカンファレンスが7回目を迎えることができたことに感謝の意を表し、開会の挨拶を行いました。
一般講演座長 丸谷公一 医師
一般講演座長 小船達也 医師
矢部敬之 医師
伊藤卓也 医師
一般講演では、丸谷公一医師(まるたに内科循環器科院長)と小船達也医師(小船内科医院院長)のお二人を座長に迎え、当院の矢部敬之医師(循環器内科)、伊藤卓也医師(心臓血管外科)が登壇しました。
まずはじめに、家族性高コレステロール血症に伴う無症候性の2枝冠動脈病変をきたした一例を紹介。動脈硬化外来での精査によって家族性高コレステロール血症と無症候性の多枝冠動脈病変が見つかり、冠動脈病変に対して血行再建を施行したことを報告。依然LDLコレステロール値が高いため、動脈硬化性疾患予防ガイドラインやFH診断基準を示しながら、二次予防の理解と管理の徹底が重要であると強調しました。
続いて伊藤医師が登壇し、当院心臓血管外科で行われている低侵襲心臓手術「MICS(Minimally Invasive Cardiac Surgery)」について紹介。MICSを行う最大の理由は、見た目の良さではなく手術侵襲の低減であることを強調しました。従来の手術と比較して術後の回復が速く、出血や感染が少ないこと、また疼痛の軽減が可能であることなど、MICSの有用性について言及しました。
特別講演座長 前場覚 医師
坂田芳人 医師
一般講演の後は、外部より講師を招いて特別講演が行われました。前場覚医師(当院心臓血管外科部長)が座長を務め、坂田芳人医師(池上総合病院ハートセンター長)が登壇。坂田医師は『日常診療に潜む弁膜症』をテーマに講演を行いました。
講演では、最近の弁膜疾患の傾向として、リウマチ熱弁膜炎が減少し、加齢性・変性弁膜疾患が増加していることを紹介。「大動脈弁狭窄症(AS)と僧帽弁逆流症(MR)は心血管系硬化変性疾患の一端で、いまやCommon Diseaseとなっている。また、大動脈弁狭窄(AS)や僧帽弁逆流症(MR)は高齢の心不全患者に潜在していることが多い」と述べました。
村松俊哉 医師
すべての講演が終了後、村松俊哉医師(副院長・心血管インターベンション治療センター長)が「今後もみなさんとこのような勉強会を開き、情報を共有化していきたい」と述べました。
続いて、場を移して懇親会が行われました。多数のご参加をいただき、ありがとうございました。