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2017年10月3日(火)、当院・STR東京ホールにおいて「中野 高脂血症セミナー」が開催されました。
伊苅裕二先生(東海大学医学部内科学系循環器内科学教授)をお招きして、最新の高脂血症に対する治療について開業医の先生方向けにご講演をいただきました。30名以上の先生方が集まり、写真やメモを取るなどして先生の講演を熱心に聴講していました。
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伊藤康信医師
はじめに、当院院長代行の伊藤康信先生(脊椎脊髄センター長)による開会の挨拶が行われ、「高脂血症と循環器は切っても切れない関係。今日は大変興味深い話が聞けると思うので、ぜひこの機会に勉強して帰っていただきたい」と述べました。
本研究会の座長は当院の塚原玲子先生(総合東京病院副院長/循環器センター長)が務め、先生の紹介のもと、伊苅先生が登壇。「PCI施行患者に対するこれからの脂質低下療法」と題し、講演を行いました。
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塚原玲子医師
コレステロールは全身に必須の栄養素だが、細胞は自前で合成が可能であること、血液中のLDL-Cと心血管イベントは比例し、正の相関があることなど論文を示しながら紹介しました。
スタチンは肝臓のLDLレセプターを増加させ、コレステローチを下げるが、不足には陥らない。また、内服によってイベントを予防する。LDL100未満という目標値には何の根拠もなく、この目標値のために、LDL<100の患者さんにスタチンを処方する機会を失っていると注意を喚起しました。
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伊苅裕二医師
最後に東海大学におけるACS患者へのPCSK9阻害薬導入事例を紹介し、スタチンの早期Fireが必須で、ハイリスク例ではスタチンとPCSK9阻害剤の2次予防が推奨される。FHヘテロ例の2次予防には特効薬と言っても過言ではないと結論付けました。
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村松俊哉医師
伊苅先生の講演後、当院の村松俊哉先生(副院長/心血管インターベンション治療センター長)が登壇しました。
「今日は新しい高脂血症の治療方法についてご講演いただいた。とても貴重なお話だった。ご来場の先生方もぜひ診療に生かしていただきたい」と閉会の挨拶を行いました。