冬に増えるひざの痛みの原因とは?~寒さとひざの痛みの関係~

寒い日にひざが痛くなるのはなぜですか?
患者さんのためのQ&A

12月を迎え、寒さが厳しくなってきました。この時期になるとかぜをひいて体調を崩す方もいらっしゃると思いますが、寒さが原因で、立ち上がるときや歩いているときにひざの痛みや違和感があると感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は寒さとひざの痛みについて解説したいと思います。

なぜ寒さでひざが痛くなるのか?

寒さによってひざに痛みが生じたり、これまでよりも痛みが増したりすることがあります。痛みの原因は寒さによる血行不良が考えられます。寒さで血管の収縮が起こり、血液のめぐりが悪くなって栄養が行き渡らなくなったり、老廃物が滞ってしまったりします。そのため、血管だけでなく筋肉も硬くなってしまうため、ひざへの負担が大きくなってしまい、痛みが生じます。
ひざ(関節)は3つの骨が組み合わさってできています。骨と骨の間には柔らかい軟骨があり、これがクッションの役割を果たすことで、痛みを感じることなくひざの曲げ伸ばしができます。身体をよく動かす仕事をしている人やスポーツをしている人、または加齢や筋肉量の低下によって軟骨がすり減ってしまっている人は、冬場に関節痛を引き起こす確率が高くなります。(ちなみにひざの軟骨がすり減ってしまい、関節が変形してしまう病気を変形性膝関節症と呼びます。)
ひざ関節だけでなく、寒さによって腰や肩の関節が痛くなることがあります。このコラムではひざの痛みにフォーカスしてご紹介しています。

痛みをやわらげる方法とは?

ウォーキングやストレッチなど負荷の少ない運動を行い、筋肉の衰えを防ぐことが重要です。また身体が冷えないように防寒したり、身体を温める食事を摂ったりするように心がけましょう。体重の増加によってひざへの負担が大きくなるので、体重の維持、標準体重よりも多い人は減量しましょう。

ひざの運動方法

①腿の筋トレその1

仰向けで寝て、膝の下に枕やタオルなどを置き、息を止めずにひざで押しつぶしましょう

②腿の後ろ側のストレッチ

仰向けの状態で、伸ばしつま先を挙げた状態で、痛みが出ない範囲でまっすぐ足を挙げましょう(10回を5セットずつ)

③腿の筋トレその2

椅子などに座った状態で、ゆっくり膝を伸ばしましょう
この時、上半身が後ろにそらないように保ち、ひざが上がるところまで無理なく挙げましょう(10回を5セットずつ)

監修

総合東京病院 整形外科

片山 悠志

整形外科

総合東京病院 リハビリテーション科

科長補佐

遠藤 敦

リハビリテーション科

公開日:2023年12月25日 |最終更新日: |カテゴリ:医療コラム
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