公開日:2023年9月13日 |最終更新日: |カテゴリ:その他, 放射線治療コラム

(2024年10月改訂)


直腸がんは乳製品、肉類などの多い食事で日本でも増えてきています。特に肛門に近い下部直腸がんでは手術で肛門も含めて切除しなければならないことがあり、その場合は永久人工肛門になり日常生活でも支障があります。

直腸がんは乳製品、肉類などの多い食事で日本でも増えてきています。特に肛門に近い下部直腸がんでは手術をすると肛門も含めて切除しなければならないことがあり、その場合は永久人工肛門になり日常生活でも支障があります。

日本では直腸がんに放射線治療を行うこと自体が少なかったのですが、海外では術前に放射線治療と同時化学療法(化学放射線療法)を施行してから手術を小さくし可能な限り肛門を温存することが一般的です。更に、化学放射線療法で30-50%程度の方は腫瘍が消えることから、そのまま様子を見て,万一再発したら手術をする、という方針(Watch and Waitと言います)が推奨されるようになってきました。もちろん、生存率は最初から手術をする方法とかわりません。

一方、前述のように日本の場合には直腸がんは原則手術だけで治療する方針のところが多かったのですが、最近は術前の放射線治療も増えています。また、これまで日本のガイドラインにも上記のような記載はなかったのですが、現在のものでは記載されています。ただ海外と違い、積極的に勧めるとはいえないようですが注目されている治療法と思われます。


参考

https://osaka-gs.jp/2023/01/news6442/


監修

総合東京病院 放射線治療センター

国枝 悦夫

放射線治療センター  放射線治療セカンドオピニオン外来

国枝悦夫医師