ノロウイルスに感染した時の対処法
患者さんのためのQ&A
ノロウイルスの感染経路には、汚染された二枚貝などの食品、便、吐しゃ物に触れた手を介して感染する
ノロウイルスは非常に感染力が強いため、
ノロウイルスへの有効な対処法は?
ノロウイルスには有効な薬がないと言われています。抵抗力の低い乳幼児や高齢者が感染すると「脱水症状」を起こす場合がありますので、水分を摂るなどして脱水症状を起こさないようにすることが大切です。
水分を口にしても吐いてしまい全く水分が摂れなくなった場合は、必ず医療機関を受診しましょう。点滴を行うなどの治療が必要となります。
下痢がひどい時に下痢止めを服用すると、ウイルスが腸内に留まり回復を遅らせてしまう場合がありますので注意が必要です。また、乳幼児や高齢者は吐物によって「誤嚥」する場合もあります。十分に注意しましょう。
嘔吐してしまったときの対処法
吐物や汚物にはノロウイルスが多く含まれています。感染を拡大させないためにも、適切な方法で処理を行いましょう。
1.適切な汚物の処理を行う
吐物や接触面の消毒
まずは、ノロウイルスに触れた可能性のある場所を消毒しましょう。消毒液はご家庭で作ることができます。
ご家庭でできる消毒液の作り方
- ペットボトル(500ml)を用意します。
- ペットボトルのキャップ1杯分または2杯分の次亜塩素酸ナトリウム(ハイター)を入れた後、水を入れます。
※吐物・汚物と接触面では、消毒液の濃度に違いがありますのでご注意ください。
- 吐物・汚物
- 濃い濃度(0.1%)の消毒液を使用します。
- 接触面(便座・手すり等)
- やや薄い濃度(0.02%)の消毒液を使用します。
衣服やじゅうたんの消毒
次亜塩素酸ナトリウムを使用して消毒すると、衣服やじゅうたんが色落ちしてしまいますので、色落ちせずに消毒できる方法をご紹介します。
- 吐物をていねいに除去し水洗いをし、ある程度汚れを落とします。※飛び散らないようにすることが大切です。
- あて布をします。
- スチームアイロン(高温)を用意します。
- アイロンを2分以上当てます。
2.適切な防護具を使って処理する
吐物や汚物を処理している際に感染するケースが多いため、必ず自分自身を守ることが大切です。
- マスク
- エプロン(使い捨て)
- 手袋(使い捨て)
これらを着用して吐物や汚物の処理を行いましょう。
3.自分自身が感染しないように予防する
予防対策として最も効果があるのが、手洗いと手の消毒です。特に手指消毒はアルコール剤で実施しましょう。
ノロウイルスに感染すると、症状が収まっても3~4週間は便からウイルスが排出されている場合があります。そのため、トイレの後や食事の前、帰宅時には、必ず手洗いと手の消毒を行いましょう。
監修 総合東京病院 感染対策室 感染対策室 |
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